今日の記事も『経済学の基本2』で取り上げた「銀行はお金を貸し出すとき元金に利子を加えた額の返済を要求する事」の続きです。その前に佐藤健志氏と三橋貴之氏の対談の動画『MMTを否定する本当の理由』を是非見て下さいと書きましたが、何故か見れなくなりました。
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https://www.youtube.com/watch?v=Dgomvvo810E
https://www.youtube.com/watch?v=rEivHojF3dI
代わりに、
https://www.youtube.com/watch?v=Nx43e_XJotU&t=1818s
https://www.youtube.com/watch?v=Fuk6Y7j_Kv0&feature=youtu.be
を見て下さい。
財務省がMMTを否定(国債発行をしたくない)理由を佐藤健志氏を見付けてくれました(後半の動画)。実は日本は財政法と言うのが有り、その4条に「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と国債発行は法律違反であるとしてあったのです。
この法律の直接的な起草者となった大蔵省(現・財財務省)主計局法規課長平井平治は財政法第四条の意義について「戦争と公債がいかに密接不可分の関係にあるかは、各国の歴史をひもとくまでもなく、わが国の歴史をみても公債なくして戦争の計画遂行は不可能であったことを考察すれば明らかである。・・」として国債発行を禁止することで日本の軍事力増強を阻止すること認めています。
この財政法は日本に主権が無かった昭和22年5月に施行された法律です。当然日本国憲法同様、GHQが日本の弱体化を目的として作った仕掛けであったことは間違いないでしょう。昭和22年と言えば、GHQの中に共産主義者が跋扈していた時代でした。ルーズベルト大統領の『ハル・ノート』の隠れ執筆者と言われているハリー・ホワイトは共産主義者でしたが、経済の専門家でもありました。
そう共産主義ば国際金融資本の裏組織と言えるようなものです。各国が自国政府が発行した国債を中央銀行に買い取らせて軍備を増強し、経済発展までしてしまったら国際金融資本としては面白くは有りません。そこでGHQ内部の共産主義者は、日本が強国にならないようように国債発行禁止する法律を作らせたのでしょう。
でもその根底にある「政府が発行した国債を中央銀行が買い取ってはいけない」の考えは何処の国に対しても同じです。今アメリカでMMTを巡って大論争になっているのを見ると、日本だけでは無くアメリカも政府がお金を増やす経済政策を縛られていたのが分ると思います。
また前半の動画は、財務省が国債発行も無く健全財政だったと言う時代は、実はアメリカから大借金をしていたことをすっぱ抜いた動画です。日銀から借金をすれば済む所を、他国の銀行から借金していたのです。例えてみれば、子会社に銀行を抱えている会社が子会社の銀行から金を借りないで、他社の銀行から金を借りたようなものです。企業であれば背任罪でしょう。財務省(当時大蔵省)は国家・国民に対する背信行為をしていたのです。それは今も続いています。
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貨幣制度の大問題
以下の記事に誤りが有りました。利子分が足りなくることは無く、お金を返したときは、借りる前の状態に戻るのが正解です。次の記事に訂正記事を書きます。
エントリーに戻ります。『経済学の基本2』で農民と大工と漁師の例え話をあげ、お金が無から生まれて無に帰る筈が、銀行は利子を取るので無(ゼロ)に帰るどころでは無く、利子分が足りなくなってしまうことを言いましたが、何故か誰もこの矛盾を指摘する人はいません(注3)。
現在の貨幣制度では、お金は誰かが銀行から借金しないと世に存在しませんが、しかし返すとき利子分余分に社会に存在しないと返すこと出来ないのです。誰かがもっと借金をしてくれないと現在の貨幣制度は成り立たないのです。否、経済が成り立ちません。
日本の場合は、政府が借金をして貨幣制度の矛盾の辻褄を合わせているのです。それなのに財務省は政府の借金を問題視します。そこで他の国ではどのくらい政府の借金があるか調べてみました。
・債務残高/GDP比の国際比較 <全世界(188ヶ国中)の順位>
1 マカオ 0% | 149 ブラジル 78.4%
2 香港 0.1% | :
3 ブルネイ 3.6% | 151 スリランカ 79.6%
: | :
12 ロシア 16.1% | 163 英国 87.9%
: | 164 カナダ 91.1%
33 トルコ 28.3% | :
: | 168 フランス 96.6%
68 韓国 39.9% | :
: | 176 米国 106.8%
78 中国 44.2% | :
: | 182 ポルトガル 129.9%
109 アルゼンチン 55.0% | 183 イタリア 132.0%
: | :
135 ドイツ 67.9% | 187 ギリシャ 183.5%
| 188 日本 235.6%
平成31年度予算の編成に関する建議(平成30年11月20日 財政制度審議会)の資料
どうでしょうか。日本はGDPの2倍以上の政府の借金がありますが、日本以外の国もそれなりに借金があることが分ります。でもそれよりこれを見て何か気が付きませんか?。政府の借金が無いのが良いのなら188ヶ国の半分は債務残高はゼロの筈です。
ところが3位のブルネイでも3.6%有ます。政府の借金が無いのが普通の国なら、粗中央に位置している中国とアルゼンチンは0%程度の筈ですが、44%から55%もあります。従って政府の借金は有って当たり前だったのです。
では日本が断トツの最下位なのは何故でしょうか?。実は貨幣制度の矛盾の辻褄を併せるのはもう一つ有ります。銀行からの借金を不良債権化してしまえば良いのです。不良債権化したお金は晴れて実社会に残ります。その分、政府が財政出動する必要がなくなります。
GDPの中の貿易による部分を除けば、多分このような式になる筈です。
政府債務残高=Σ{ k×GDP(年)×(銀行貸出金利(年)-不良債権率(年))}
そこで各国のGDPに対する不良債権のパーセントを調べようとしましたが、調べ切れませんでした。ただアメリカと日本の不良債権のGDP比が1%程度に対してEUは4%と高いとの記事が見つかりました。
ドイツの政府債務残高が低いのはGDPの中の貿易黒字の割合が大きい為なのは分ります。フランスの政府債務残高が日本の1/3程度に収まっているのは、やはり日本より不良債権が大きい為と考えられます。
米国政府の債務残高が100%程度に収まっているのは自国通貨のドルが基軸通貨である利点が有る為と考えられます。例えば日銀は通貨発行に伴う利益の95%を日本政府に納めなければなりませんが、アメリカの中央銀行が米国政府に納めるパーセンテージはそれより大きいようです。
そして日本の場合は例え日銀が利益の99%を国庫に収めても、日銀に買い取ってもらった国債の金利の率が減るだけで差し引きマイナスです。しかし米国の中央銀行が発行するのは世界の基軸通貨なので米国の中央銀行は膨大な利益がある筈です(アメリカ中央銀行の利益は公表されていない)。
従って米国の中央銀行が米国政府に納めるのはかなりの額でしょう。つまり米国政府の債務残高が100%程度に収まっているのは、中央銀行に買い取らせた国債の利子の支払いをしても、中央銀行からそれ以上のお釣りが来ると言うことです。
又2007年に起きた住宅バブル崩壊も米国政府の債務残高の伸び率を減らすことに寄与している筈です。否、それどころか住宅バブルは貨幣制度の矛盾をうやむやにする為に仕掛けられた人為的なバブルだった可能性さえ有ります。
この貨幣制度の矛盾について何故再度取り上げたかと言えば、安倍政権と財務省がMMT潰しを始めており、その反論をするには現在の貨幣制度の矛盾を衝くのが最大の反撃になると考えた次第です。
恐らくアメリカのMMTへの動きは潰され、主戦場は日本になるでしょう。何故ならMMTの本質は中央銀行潰しだからです。先に述べたようにアメリカの中央銀行が発行しているのは世界の基軸通貨ドルです。アメリカ政府がそれを手放す筈が有りません。
そんなうまみが無い日本は、日銀を完全な政府の子会社にするか政府機関にすべきですが、日本でその動きが起きたときは第二の日米開戦になるかも知れません。動画『MMTを否定する本当の理由』を良く見て下さい。財政法を作らせたGHQ内部の共産主義者は国際金融資本、つまりドル体制を維持している国際金融資本の代理人だったのです。
日本がMMTに走ったとき国際金融資本が何をするかを占う先例がありました。それはヒトラーがドイツを復興させた事で何が起きたかです。
次に示した文章は『ラコフスキー調書』(注1)の中にある一節です。『ラコフスキー調書』は出所不詳のオカルトチックな所謂怪文書ですが、平成28年6月に行われた馬渕睦夫講演会で一部の人に配布しました。配布した理由は下記の一節を是非皆様に知って頂きたいと思ったからです。
「無教育で、幼稚な人間ではあるが、ヒトラーは、彼の生れつきの直感力で、シャハトの技術的意見に反して、極めて危険な経済制度を復興した。彼は経済理論では無知であり、又ソ連で我々がやった様に、私的資本と国際資本を抹殺する為に、必然に従ったまでであるが、彼は物理的貨幣だけでなく、金融貨幣をも発行する特権を自分で握ったのである。彼は、かって誰も入手した事のない偽造機械を奪い、自分の国の利益の爲、これを活動させた。彼は我々を凌駕した。何故なら、我々はロシアで私的資本を滅ぼしたが、これを粗暴な国家資本主義に代替してしまったからである。ドイツのそれは前革命的デマゴギーの必然の結果生れた非常に貴重な勝利であった。ここで私は君に比較の為二つの事実を提案しているのである。ヒトラーは好運な人間だったと云える。彼は黄金は殆ど持っていなかった。従って彼は黄金を蓄積しようとしなかった。彼は技術設備と独逸(ドイツ)の莫大な労働意欲によってのみ銭を保証出来た。技術的可能性と労働力、これが彼の黄金の蓄積であった。これは全く反革命的なものである。ご覧の様に、彼はまるで魔法の様に、700万人の技術者、労働者の失業を一掃してしまった。 」
要約すると、ヒトラーは中央銀行の特権を握り貨幣を発行し(偽造機械とは中央銀行制度のことでしょうねw)、700万人の技術者、労働者の失業を一掃してしまった。ドイツ人の莫大な労働意欲と技術的可能性が発行した貨幣の信用を高め、更に経済成長したと読めます。ヒトラーは正にMMTを実践して成功してしまったのです。
又分中にある「極めて危険な経済制度」は、次にある文章(↓)の
「ヒトラーは、彼を取巻いているブルジョア経済学者が皆忠告したにも拘らず、これを成し遂げた。だとすれば、もし戦争の脅威がなければ、彼は平和的生産にもこの制度に感染させ、更に民族的独立経済時代即ち共和国連合を誘発したら、彼はこの制度を何に作り変える事が出来たであろうか? 君はこれを想像出来るのか?」
と、国際金融資本(『ラコフスキー調書』では『金融インターナショナル』としている)が、ヒトラーの経済政策(政府がお金を発行する)を他国が真似する事をいかに恐れていたのがが読み取れます。実はその後の戦争(第二次大戦)は、このヒトラーの経済政策が原因ではなかったのかと思われる程です。(ブルジョア経済学者とは、日本では国際金融資本の代理人である財務省ご用達の経済学者のような人でしょうw)
国際金融資本がヒトラーに資金を提供していた事実をもって、ヒトラーによるドイツ経済復興は国際金融資本の資金提供によるものだと解釈する向きもありますが、国際金融資本がヒトラーに資金提供したのは、ヒトラーの経済政策を他国に真似させない為と思われます。
それは先に紹介した動画『MMTを否定する本当の理由』にある「1964年の東京五輪の前、日本は外国から借金をして高速道路を作り新幹線を作った」も、日本が自国通貨発行して成し遂げてしまう事を阻止するためと考えられます。つまりお金は自国で作るものでは無く、何処からか借りなければならないと言う思想を人々に植えつける為です。
そこで若し日本がMMTに走った場合、日本は第二のナチス・ドイツにされる事を覚悟すべきでしょう。勿論戦争です。その戦争に勝つには先ず言論での戦争に勝たなければなりません。そこで相手側の弱点を知る必要が有ります。それが貨幣制度の矛盾です。
MMTに走らなくても貨幣制度の矛盾は全ての国民が知るべきでしょう。でもその結果はMMTに走ることになりますけど。
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おまけ:
貨幣制度の矛盾に満ちたカラクリ(注2)と、現在のMMTの考えから『ラコフスキー調書』を読むと、第二次大戦は国際金融資本によるヒトラーMMT潰しであり、今日のグローバル主義運動は国際金融資本が、世界を一つの通貨一つ中央銀行に統合をすることを目的とした運動ではないかと推定できます。
注1:『ラコフスキー調書』は誰かが何らかの目的で作った出所が分からない所謂怪文書です。日本でこの文書が世に出たのは1984年初版の『ロックフェラー帝国の陰謀』(自由国民社)の巻末特別資料です。F・ルーズベルト大統領の周りに共産主義者が一杯いたことを暴いたヴェノナ文書の一部が公開されたのが1995年だったことを考えれば、「ルーズベルトは金融インターナショナルの代表」、「金融インターナショナルは革命(共産主義)の参謀本部」、そして現在のMMTと見まがうヒトラーの経済政策の脅威を述べるラコフスキーの証言は驚くべきものです。
注2:貨幣制度の矛盾に満ちたカラクリとは、銀行は無から生まれたお金を貸すのに利子分多く返済を要求する事です。それはデフレ圧力になり、不良債権を生むか、誰かがもっと借金をしないと経済が成り立たない世界です。然しながらもっと強調すべきは全ての富が銀行に集まる事です。銀行からの借金を全員が返したとき(返せない人が出てきますが)を想像して見て下さい。世界のお金はゼロになるのでは無く、利子のお金は銀行の正当な金(借金では無い)として手元に残るのです。国民の預金等も借金では無いお金ですが金融資本の手下の財務省に税として取り上げられます。かくして殆どお金は銀行に集められ、世界の殆どの富を銀行が握ったことになります。
https://sites.google.com/site/nekodemokeizai/nekodemo2/syakkinfueru
でも恐らくこれは何れ大問題になる筈です。否、世間が問題にしていなくても、茨城県本部が「問題提起!」と世に発信すべき問題なのです。
by K.O